天然ガス 2012 3 4
書名 週刊エコノミスト 2012 2/28
「原油とガス 米国より6倍高いLNGを買う理由」
最初に、用語の説明から始めましょう。
LNGとは、液化天然ガスのことです。
それよりも何よりも、
「米国よりも6倍高い」というところが、気になるでしょうか。
「なぜ、日本は、そんなに高い天然ガスを買っているか」
これは、まず、日本が島国であることが関係しています。
本来、天然ガスは、パイプラインで運ぶのが、普通です。
しかし、日本は、海に囲まれていて、
しかも、その海の水深が深いので、
パイプラインの敷設は難しいと思います。
そうなると、天然ガスを液化して、船で運ぶしかないと思います。
天然ガスを液化するとなると、高度な技術も必要ですが、
巨大な施設も必要となります。
そういうわけで、天然ガスがパイプラインで運ばれている国と比較すると、
日本は、割高な天然ガスを買うことにならざるを得ないと思います。
もうひとつ言えることは、
運搬手段が船しかありませんので、競争原理が働かないことです。
本来であれば、パイプラインの敷設か、液化天然ガスか、
費用対効果を考えて、コストを競争させるべきでしょう。
週刊エコノミストから記事を引用しましょう。
「韓国ガス公社は、日本より一足早く、
北米のLNGを購入することを決定した。
韓国も日本と同じく原油価格に連動する高いLNGを購入してきたため、
競争力のあるLNGの獲得が国家的な課題だった」
「電力会社も危機感を持っている。
中部電力は、『北米のシェールガス由来のLNGを
米国ガス価格指標に連動した価格で日本に導入することが、
市場格差を解消する有効な取り組み』と考えている」
(以上、引用)
ところで、日本人は、温泉好きで、
温泉地どころか、関東平野の都市部でも、
温泉を求めて、かなり深くまで井戸を掘っていますが、
これには、危険があります。
関東平野には、「南関東天然ガス田」がありますので、
温泉どころか、天然ガスを掘り当てることになります。
ここで思うことは、それなら天然ガスを輸入するよりも、
自分の国で産出する天然ガスを使えばよいという考えも出てくるでしょうが、
産出量が少ないということもあるでしょうが、
円高なので、外国から輸入した方がよいと思います。
昔は、1ドル360円だったのですが、
いつの間にか、1ドル80円になってしまって・・・・・。
(欧米で、また金融危機が発生すれば、1ドル50円にもなるという説もあります)
同じ理屈が、石油にも当てはまります。
実は、日本は、産油国です。
新潟県では、石油を求めて井戸を掘っている時に、
温泉を掘り当ててしまったという温泉地が、いくつかあります。
明治時代には、日本でも、石油王と呼ばれた人がいました。
新潟県、秋田県、北海道は、
産出量が少ないので、
油田地帯というと大袈裟になってしまいますが、
石油が出る地域と覚えておいてください。
今でこそ、原油価格の高騰と言いますが、
10年ぐらい前まで、原油価格は、かなり安く、
しかも、長期間に渡って低迷していて、
さらに、長期間に渡って円高が続いていましたので、
秋田県の零細油田は、廃業に追い込まれたと聞いたことがあります。